フランスの子育て:学習障害(LD)ディスレクシアってなに? <海外 子育て>

フランスの子育て:学習障害(LD)ディスレクシアってなに? <海外 子育て>

発達障害グレーゾーンのお子さんの中には、読み書きが苦手な学習障害の特性を持っているお子さんもいます。ここでは、フランスで発達障害のうち学習障害(LD: des troubles du langage et des apprentissages)について、どのようなものなのか、どんな風にして見つかるのか、相談先をお伝えします。

⒈学習障害ってなに?

ここでは学習障害(LD: des troubles du langage et des apprentissages)は、読み・書き・話す・計算障害のことを言います。ディスレクシアはそのうちの読み書き障害のことです。

フランスでは、学習障害のある子どもの40%は、二つ以上(話すのと読む)の障害があると言われています。

「話す障害」があると「読む障害」ある可能性が50%。また「書きの障害」もしくは「算数障害」があると、発達性協調運動症もしくは注意障害もあることが多いと言われています。

フランスの幼稚園では、発達がグレーゾーンのお子さんがいると普通クラスで介助の先生をつけてくれることもあります。幼稚園ではなんとか過ごせていても、小学校に入って読み書きの勉強が始まると、難しくなることもあります。

フランスでは特に勉強についていくのが難しいと、学習障害と言われるお子さんが多いように感じているので大切なテーマだと考えています。

小学校の1年生CP(Cours préparatoire)の初めに読みの障害が明らかになることが多いと言われています。

子どもが読みの障害があるとわかるポイントは2つ。

1つ目、書かれている「アルファベットの記号」と「音である音素」を関連付けることが難しいこと

2つ目。いくつかのアルファベットのかたまりを一つの単語として素早く認識することができないこと

この2つから、読むのが遅かったり、よく間違えたりするので気付かれるようです。

フランスの子どもの3〜5%がこの読みの障害があると言われています。

読みの障害がある子どもの多くの場合が、文字を書くことが難しい書字障害もあわせもっていることが多いようです。

日本語の場合は、ひらがな、カタカナ、漢字の記号と音の組み合わせが難しいことになりますね。

フランス語ではアルファベットの組み合わせととフランス語の音の関係になります。

日本語は「え」はどの文字の隣にあっても「え」としか読みませんが、フランス語のeは隣にあるアルファベットによって発音が5つ以上(もっとあるかも?)変わるのです!

今思いつくのは、et é est は、日本語の「え」と読みますが、è en e eu は日本語にはない「え〜」「おん」「ェ」「ウ」とかの音になるのです!

こんな感じでアルファベットの並べ方で音が変わる、このルールを小学校1年目のCPで詰め込まれて覚えないといけないのです。

もちろんその後のCE1,CE2でも復習しながら進んで行きます。

日仏家庭に育っていて、日本語の読み聞かせやひらがな表などの読み学習を先に始めている子どもには、CPで音とアルファベットの記号を結びつけるのに、最初は苦労するのは当たり前なのではないかと密かに思っています。

そしてネイティヴが音を教えてあげないと読み方が混乱してしまうので注意が必要ですね。わが家は「ママその発音じゃないよ」と直されてます^^

では、ディスレクシアなどの学習障害があるときはどこに相談へ行ったらいいのでしょうか。

日本では発達障害としては、主に下の6種類が含まれています。

1.注意欠陥・多動症(ADHD)
2.自閉症スペクトラム症(ASD)
3.学習障害(LD)
4.知的能力障害(ID)
5.運動障害(発達性協調運動症)
6.コミュニケーション障害

日本では、発達障害の6つのどの障害でも発達障害支援センターなどで対応してくれているようです。

しかし、フランスでは発達障害という概念が日本のように浸透していなくて、それぞれ障害の種類によって専門の窓口が異なります。

お子さんにあった窓口へ相談にいくことになりますので、それぞれの窓口が専門として見ている子どもの特徴についてお伝えしたと思います。

フランスでディスレクシアを含む学習障害 (LD: des troubles du langage et des apprentissages)かもしれないときの相談先は

まずは、近くで開業している言語聴覚士(Orthophoniste)が学習障害の専門家です。

また、自閉症スペクトラムついての情報センター(Centre de Ressources Autisme :CRA)と同じようにそれぞれの地域圏に学習障害と発達性協調運動症の診断ができるようにセンターが作られています。

そのセンターはこちらのサイトからお探しください。

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山田ちあき
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フランスで子育て:自閉症スペクトラム症かもしれないときの相談先<海外 子育て>

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海外在住でお子さんが発達障害グレーゾーンかもしれないと思われたときに、日本と相談先が違くて困ることも多いと思います。ここではフランスで自閉症スペクトラム症(ASD)かもしれないと思われたときの相談窓口をご紹介します。

フランスで「自閉症スペクトラム症」は知られている?

フランスでは一般的に典型的な「自閉症」については知られています。しかし、典型的ではなくて、薄めの自閉症スペクトラム症の症状があり得るということについてはあまり知られていないのが実情です。

かかりつけ医や小児科医も発達障害・自閉症スペクトラム症についての知識がある先生はあまり多くはいません。

そこで専門の相談先を探すときの窓口をここでお伝えします。

フランスでの相談先リスト

⒈自閉症スペクトラム情報センター

もしかして?と心配があるときには、下の記事の自閉症スペクトラム情報センターに問い合わせて地元の施設を教えてもらうと安心だと思います。

フランスで子育て:自閉症スペクトラム情報センター<発達障害 海外 子育て>

⒉ CAMSP (Centre d’Action Médico-Social Précoce) 早期医療・福祉活動センター

もし情報センターですぐに情報がもらえないときには、ご自身でお近くの機関に相談に行くことができます。

保育園や幼稚園、かかりつけ医から紹介されるのもこのような施設です。
0〜6歳までの子どもを受け入れる施設で、運動、知能、感覚に障害がみられる子どもの検診や通院治療、リハビリテーションや家族からの相談を受けています。

⒊ CMP (Le Centre médico-psychologique) 医療心理センター

子どもから大人まで受け入れている地域の中心的な精神科の相談窓口にです。
子どもの行動や発達についての相談だけではなく、大人の精神疾患も対象としています。

⒋ CMPP (Le centre médico-psycho-pédagogique) 医療心理教育センター

20歳までの子どもを受け入れる施設で、精神障害や行動障害があって、学習が難しい
子どもへの支援、リハビリテーションが行われていいます。

フランスの公的相談機関なので、全部無料ですが、予約を入れても先生の都合が悪くなったとかで、予約が変更になったりすることもあります。

厚生省から自閉症スペクトラムの診断基準や診断方法の通知が2010年にでていますが、現状としては、専門的な知識がある職員がいるとは限らないため診断がその施設でできないこともあります。

施設によっては、いまだに親子関係や環境のせいだと言われてしまうこともあるようです。

⒌ 自閉症スペクトラム症の子どもの持つ家族のアソシエーション「Autisme France」や「Vaincre l’Autisme」の地元窓口
日本の家族会のようなアソシエーションの地元窓口にオススメの施設を問い合わせすることもできます。

⒍ 言語聴覚士(Orthophoniste)
診断がなくても、言葉や注意力、集中力などでお子さんの気になることがあるときに相談に乗ってくれます。診断が出た後に、言葉の発達を促すために週1回〜2回通うこともあります。ウェイティングリストがあるところが多いので、根気よく電話をして予約を取らないといけないところが多いようです。

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フランスには注意欠陥多動症(ADHD)は少ない?

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フランスには注意欠陥多動症(ADHD)は少ない?<発達障害 ADHD 海外 子育て>

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フランスにも注意欠陥多動症(ADHD :Le TDAH)のお子さんはいます。グレーゾーンを含めたら数はもっと増えます。ここではフランスにいるADHDのお子さんが少ないと言われる理由についてお伝えします。

⒈ 注意欠陥多動症(ADHD)って何?

注意欠陥多動症(ADHD)は、英語ではattention deficit hyperactivity disorderで、
フランス語では、Trouble Déficit de l’Attention / Hyperactivité:Le TDAHと呼ばれています。

典型的な症状としては、 「多動性(過活動)、不注意(注意障害)、衝動性」の三つが
あります。

症状がどれも同じように出ているわけではなくて、一つか二つの症状が強くでていることがほとんどです。

小さい頃は座っていられなかったり、すぐに飛び出して行ってしまったり、叩いてしまったりする多動性や衝動性が目立つことが多いですね。

不注意の子も実はたくさんいるのですが、周りにあまり迷惑がかからないので、目立ちにくいです。

集中力が短かったり、すぐに気が散ってしまって話を聞いていないことが多かったり、うっかり間違えることが多かったりするのが症状です。

話を聞いていなくて怒られたり、授業についていけなかったりしてどちらかというと本人が困っていることが多いです。

なので、お母さんが不注意の障害があると知っているとお子さんが怠けているわけではないとわかるので、親子共にとても助かりますね!

⒉ フランスで注意欠陥多動症(ADHD)の診断が少ない理由

では、フランスにはどれくらいいるのかというと、2011年に出た研究によると(参考サイト就学している子どものうち3.5-5.6%ぐらいが注意欠陥多動症(ADHD)とのこと。2018年の世界の子どもの平均は、5.29%と言われているので、世界の平均に比べて少ないとも多いとも言い切れない数です。

フランスには、100人のうち5人なので、25人クラスだと1クラスに1人ぐらいいるということになりますね!

そのうち65%は大人になるまで症状が残っていて、大人の人口のうち2.9%ぐらいが注意欠陥多動症(ADHD)といえるようです。

3.5-5.6%という幅は、パリなどの専門医が多い地域とそうではない地域の差なのかもしれないと思っています。

その理由は、下の記事にも書いてありますが、フランスに昔からある精神科の診断基準CFTMEA(Classification française des troubles mentaux de l’enfant et del’adolescent)に注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断名がないのです。

CFTMEAを使うときは、世界保健機関 (WHO) が公表しているICD-10「国際疾病分類」(International Classification of Diseases)フランス語:CIM-10 )も必ず載せるルールのようです。元の診断基準に入ってないとなると、診断される数は減りそうです。

フランスで子育て:発達障害の診断 <発達障害グレーゾーン ADHD 海外 子育て>

なので専門医ですでに学んでいる医者でない限り診断をする機会が減るのではないでしょうか。

フランスの他の地域では、他の発達障害と同じように母子関係や家族関係、社会的な環境
(移民家庭、貧困、片親、離婚家庭、再構成家庭など)が原因と考えられやすく、診断がすぐにつかないことが多い印象です。

⒊ どうしたらいいのか?

家庭環境に原因探しをするよりも、どうしたら社会適応できるようになるか、その子どもの特性を理解してあげて、対応策を探って、発達を促してあげれるようになれたらいいのにと思っています。

落ち着きのない、集中力のないADHD傾向のあるお子さんは、社会の中では悪い子、落ち着きのない子と見られがちですが、それが子どもが悪気があってやっているんじゃないんです。

その裏にある特性を理解してあげて、対応してあげることが子どもの将来のために早急に期待されることです。それは専門家ではなくて、一番身近にいるお母さんがしてあげることが最初のステップになります!

 

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山田ちあき
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フランスで子育て:自閉症スペクトラム情報センター<発達障害 海外 子育て>

フランスで子育て:自閉症スペクトラム情報センター<発達障害 海外 子育て>

こんにちは!山田ちあきです。

フランスの発達障害の子どもへの療育シリーズをお伝えしています。前回はフランスでの発達障害の診断の状況についてお伝えしました。

今回は、フランスに住んでいて発達障害の「自閉症スペクトラム」かもしれないというときに役に立つ情報センターについてお知らせします。

なぜこのセンターが大切なのでしょうか。前回お伝えしたようにフランスでは発達障害があまり知られていないので、近くの小児科へ行ってもお母さんが困っていること、心配していることがわかってもらえない可能性が高いからです。このセンターは専門機関なので、お母さんの感じている疑問についてわかってもらいやすいはずです。

ではそのセンターをご紹介します。

自閉症スペクトラム情報センター Centre de Ressources Autisme (CRA)

このセンターは、1990年代の終わりにフランスで自閉症スペクトラムの人々への支援が不十分だということでフランスの厚生省(le Ministère des Affaires Sociales)がいくつかの地域に作り始めたものです。

今では、海外県を含めて28個のセンターがあります。

Alsace(アルザス)
Aquitaine(アキテーヌ)
Auvergne(オーベルニュ)メール cra-auvergne@chu-clermontferrand.fr 電話:04 73 75 19 48
Basse Normandie(バッス・ノルマンディ)メール cra-sec@chu-caen.fr 電話 02 31 06 58 21
Bourgogne(ブルゴーニュ)
Bretagne(ブルターニュ)
Brest ブレスト メール marie-josse.maze@chu-brest.fr 電話 02 98 01 52 06
Rennes レンヌ 電話 02 99 68 29 63
Centre(サントル)
Corse(コルシカ)メール cra-corsica@gmail.com 0495300970
Champagne-Ardenne メール cra.ca.infodoc@wanadoo.fr 0326683571
Franche-Comté メール crafc@chu-besancon.fr 0381218244
Guadeloupe メール crag971@yahoo.fr 05 90 25 23 90
Guyane メール cr.autisme@ch-cayenne.fr 05 94 29 84 24
Haute-Normandie
Ile-de-France
Languedoc-Roussillon
Limousin
Lorraine メール ressourcesautisme@cpn-laxou.com 03 83 92 66 76
Martinique メール cra-martinique@ch-colson.fr 05 96 56 07 02
Midi-Pyrénées
Nord-Pas-de-Calais
Pays de la Loire メール autisme.crera@chu-angers.fr 02 41 35 31 21
Picardie メール cra-picardie@chu-amiens.fr 03 22 66 75 40
Poitou-Charentes
Provence Alpes Côte d’Azur メール s.sud.crapaca@mail.ap-hm.fr 04 91 74 40 70
Réunion / Mayotte メール cria.clairejoie@orange.fr 02 62 22 59 52
Rhône-alpes

どんなセンターなのでしょうか?

医療・社会的なセンターで、
・自閉症スペクトラムの本人もしくは家族へのサポート
・診断・検査
・専門家や家族への情報提供
・研究
などを行っています。

このセンターに旦那さんと一緒に問い合わせたり、実際に行ってみて、

自閉症スペクトラムの情報をもらったり
診断をしてもらうとしたらどこへ行ったらいいのか
どのようなサポートがしてもらえるのか

などフランスで生活していくために役立つ情報をもらってこられるといいと思います。

子どもが自閉症スペクトラムかもしれないけど、フランスの施設に問い合わせるほどじゃない旦那さんにわかってもらえない、でも母親ができる対応方法を知りたいという方に、その方法をメールレッスンでお伝えしています。

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フランスで子育て:発達障害の診断 <発達障害グレーゾーン ADHD 海外 子育て>

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発達障害グレーゾーンのお子さんはどこに国でも暮らしていますが、国によってその診断状況は変わってきます。それぞれの社会で個性の範囲が変わってくることもありますが、診断基準が違うこともあります。今回は、フランスでの発達障害の診断の状況についてお伝えします。

フランスでの自閉症スペクトラム症

フランスでもはっきりとした自閉症は診断されます。しかし、はっきりしていない自閉症スペクトラム症はまだあまり知られていなくて診断がされにくい状況です。

とはいえ、フランスでは全く診断がされないのかというとそういう訳ではなくて、パリには発達障害の専門診察をしているこども病院があるので、そういった専門機関では診断されています。

フランスでは発達障害の診断がどうして少ないの?

どうして一般的なフランスの精神科医は発達障害の診断をあまりしないのでしょうか。この理由を知っておくと、ご自身のお子さんのことで一般的なフランスの精神科医に言われることと日本の精神科医に言われることが違っても、あわてなくてすみますね。どっちが正しいのかと迷うことなく、ご自身のお子さんを見ることができるようになると思うので、大切なポイントだと考えています。

1つ目の理由:診断基準が違います!

フランスの精神科で診察をするときに主に使われるのは、日本でもよく知られているアメリカのDSM-V(アメリカ精神医学会 (APA) が作った『精神障害の診断と統計マニュアル』第5版) ではありません。

フランスにはCFTMEA(Classification française des troubles mentaux de l’enfant et del’adolescent)という診断基準があります。

それを使う場合はICD-10(世界保健機関 (WHO) が公表している「国際疾病分類」(International Classification of Diseases)フランス語:CIM-10 )も必ず記載するようにお国からは言われているようです。

国が指示しないといけないということは、昔ながらのCFTMEAが大前提にあるのだろうと私は考えています。

CFTMEAでは、自閉症カナー型が上の方にあって、広汎性発達障害も下の方に入っていますが、注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断基準は入っていないようです。

このように診断基準が違うので、アメリカの診断基準で「自閉症スペクトラム症」と診断をされて、それをフランスの精神科医に伝えても、「自閉症?」「カナーってこと?」ととられてしまうかもしれません。

ICD-10の広汎性発達障害(仏語:Trouble envahissant du développement:TED)はもしかしたら知っているかもしれませんが、TEDのアソシエーションもフランスではあまり知られていないと言っているので、医者によるのだろうと思います。

2つ目の理由:精神・心理療法の流れ

私が驚いているのが2016年12月に自閉症への精神分析的なアプローチを禁止する法律をつくろうと議員たちが提案したようなのです。そこで精神分析の関係者から猛反対をうけ、その法案が流れたということです。

法律で禁止を必要があると考える人たちがいるということは、いまだに自閉症への精神分析的なアプローチがフランスではされているということになりますよね。

精神分析的なアプローチは、親子関係、特にお母さんと子どもの関係を重視するので「子どもが自分の殻にこもってしまったのはお母さんに原因がある」という考え方になりがちなのです。

日本でも50年ぐらい前にあった見方ですが、今では脳機能の障害ということがわかっているのでそのようなことは言われないですよね。

しかし、フランスではこのような強い精神分析的流れがある状況なので、子どもの変わった行動や不適応はまずは、母子関係や家族関係、社会的な環境(移民家庭、貧困、片親、離婚家庭、再構成家庭など)が原因と考えられやすいのです。

なので、わかりやすい自閉症は診断を受けられていますが、その他の発達障害の診断はあまりされずにいるのだろうと私は考えています。

どうしたらいいのか

フランスでは発達の凹凸がみられると、個性の範囲と見られるか、家族の問題と取られることもあります。周りからなんと言われようと、発達の特性のお母さんの育て方の問題ではないので気に病まないでいただきたいです。

お母さんがお子さんの特性(個性)をしっかりと理解してあげて、その特性にあった対応をしてあげることが子さんの未来のために大事になります。

発達が気になるお子さんの特性を理解の仕方をメールレッスンでお伝えしています。

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フランスでは発達障害グレーゾーンは一般的にはあまり知られていないのが現状ですが、発達障害グレーゾンの子どもたちは暮らしています。今回は、発達障害グレーゾーンのお子さんがフランスではどのようなサポートを受けながら育っていっているのかお伝えします。

フランスでの発達障害の子どもへの療育シリーズをお伝えしています。前回はフランスでどのように乳幼児の健康・発達のチェックと相談がされているのか。そして、そのシステムの中での日本人のお母さんたちの実情についてお伝えしました。

フランスでは、ことばがでなかったり、目が合わなかったり、呼ばれても反応しなかったり、手をひらひらしたりする動きを繰り返したりと明らかに他のお子さん達と違う行動が目立つお子さんは、専門医や専門機関へ行かれることを勧められます。

そこで診断がされ、公費で療育を受ける道が開かれていきます。

しかし、上のような行動がみられない発達障害のグレーゾーンの子どもは、フランスでは診断がされることは珍しいように思います。

診断は受けていないけれど発達にかたよりがあったり、凹凸がある子どもの数は、自閉症と診断を受けられている子どもよりも多いのが実情です。

どうしてグレーゾーンの子は、フランスでは診断されにくいの?

では、どうしてグレーゾーンの子は、フランスでは診断されにくいのでしょうか。2つ理由があると考えています。

1つ目:個性の範囲が広い!

一つ目は、グレーゾーンの特性があっても、学校やお家でそれほど困らないでやっていけているからです。

発達障害の診断をする時に、特性があることで学校や社会で生きていくのが難しかったり、困難な状態になっているかどうかが大事なポイントになるんです。

得意不得意の差があっても個性の範囲で捉えられることが多いと感じています。

2つ目:診断基準が違う!

2つ目は、こちらでお伝えしたようにフランスでは発達障害の診断基準が違うので、一般の医師には注意欠陥多動性障害(ADHD)は気付かれないことが多いのです。

では実際に、フランスでは発達に遅れや偏り凹凸のあるグレーゾンの子ども達がどんな風に育っていっているのでしょうか。

発達障害グレーゾーンの子どもがフランスで受けられるサポート

発達障害グレーゾーンの子どもはフランスでは全くサポートを受けられないのでしょうか。そんなことはありません。

言語聴覚士(Orthophoniste)

言葉が遅かったり、小学校に入ってから読み書きや勉強についていくのが難しい場合には、言語聴覚士(Orthophoniste)のところに通って療育が受けられます。

かかりつけ医に処方せんをもらっていけば、療育は健康保険や相互保険で全額カバーされます。

日本では子どもをみてくれる言語聴覚士はあまりみつからないのですが、フランスではある程度大きな町であれば一人は街中に個人開業していて子どもも見てくれます。

子どもの学習面でのサポートもしてくれるので、フランスの子育て中の家族にはとても身近な存在です。バイリンガルでことばの遅れがあるお子さんもよく通っています。

サポートを必要としている大人や子どもが多くて予約が取りずらくて、ウェイティングリストがあるところがほとんどです。

精神運動訓練士(Psychomotricien)

体の使い方が上手でなかったりする場合は、精神運動訓練士(Psychomotricien)のところで療育を受けられます。

日本では作業療法士が対応してくれるのですが、子どもをサポートしてくれるところは少ないのが現状のようです。

こんな感じでフランスでは、診断はされなくても、発達障害やグレーゾーンの子どもが苦手なところに合わせて専門家にサポートしてもらっています!

学校でのサポート

苦手なことが目立たなくて、学校の勉強にも問題がない子ども達は、言語聴覚士や精神運動訓練士のサポートはうけないで学校で過ごすことになります。

前に近所のフランスの公立小学校の低学年クラスをのぞかせてもらったことがあります。

一クラス25人ぐらいですが、そのクラスの中に日本人の私から見たら、注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断がでてもおかしくないのでは?というくらい落ち着きがない子が2、3人はいました。

知的な遅れはあまりなさそうな自閉症スペクトラムっぽい子どもも1、2人はいます。

両親が外国人で家ではフランス語を話さない環境の子ども達も半分ぐらいいます。学習障害なのか、単に学習の遅れなのかわかりにくいのですが、読み書きが遅れている子どもは半数ぐらいいるようです。

そんな環境なので、発達にかたよりがあったり、凹凸があっても、学校では見過ごされがちではあります。

行動面で目立ったトラブルや友達関係で苦手なところがでてくる子どもは、学校からの連絡帳に行動面で落ち着きがないなど書かれて親が担任の先生と面談することもよくあります。

ただ叱るだけではなく、親と担任でどのような対応をしたらよいのか相談するようです。

必要であれば、個人開業している心理士のところや心理教育センターのようなところへいくように担任から勧められることもあります。

そして、友達が欲しいと思っている場合は別ですが、他の子どもと仲良くなれなくて孤立してしまう子どもは、自分の世界があって、好きなことができる子どもであれば、孤立していても日本ほど問題視はされない環境ではあります。

こんな感じでフランスでは診断を受けていない発達障害やグレーゾーンの子ども達が育っていっている状況です。

発達が気になるお子さんを伸ばすためにお家でできるサポートをメールレッスンでお伝えしています。

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