フランスにも注意欠陥多動症(ADHD :Le TDAH)のお子さんはいます。グレーゾーンを含めたら数はもっと増えます。ここではフランスにいるADHDのお子さんが少ないと言われる理由についてお伝えします。

⒈ 注意欠陥多動症(ADHD)って何?

注意欠陥多動症(ADHD)は、英語ではattention deficit hyperactivity disorderで、
フランス語では、Trouble Déficit de l’Attention / Hyperactivité:Le TDAHと呼ばれています。

典型的な症状としては、 「多動性(過活動)、不注意(注意障害)、衝動性」の三つが
あります。

症状がどれも同じように出ているわけではなくて、一つか二つの症状が強くでていることがほとんどです。

小さい頃は座っていられなかったり、すぐに飛び出して行ってしまったり、叩いてしまったりする多動性や衝動性が目立つことが多いですね。

不注意の子も実はたくさんいるのですが、周りにあまり迷惑がかからないので、目立ちにくいです。

集中力が短かったり、すぐに気が散ってしまって話を聞いていないことが多かったり、うっかり間違えることが多かったりするのが症状です。

話を聞いていなくて怒られたり、授業についていけなかったりしてどちらかというと本人が困っていることが多いです。

なので、お母さんが不注意の障害があると知っているとお子さんが怠けているわけではないとわかるので、親子共にとても助かりますね!

⒉ フランスで注意欠陥多動症(ADHD)の診断が少ない理由

では、フランスにはどれくらいいるのかというと、2011年に出た研究によると(参考サイト就学している子どものうち3.5-5.6%ぐらいが注意欠陥多動症(ADHD)とのこと。2018年の世界の子どもの平均は、5.29%と言われているので、世界の平均に比べて少ないとも多いとも言い切れない数です。

フランスには、100人のうち5人なので、25人クラスだと1クラスに1人ぐらいいるということになりますね!

そのうち65%は大人になるまで症状が残っていて、大人の人口のうち2.9%ぐらいが注意欠陥多動症(ADHD)といえるようです。

3.5-5.6%という幅は、パリなどの専門医が多い地域とそうではない地域の差なのかもしれないと思っています。

その理由は、下の記事にも書いてありますが、フランスに昔からある精神科の診断基準CFTMEA(Classification française des troubles mentaux de l’enfant et del’adolescent)に注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断名がないのです。

CFTMEAを使うときは、世界保健機関 (WHO) が公表しているICD-10「国際疾病分類」(International Classification of Diseases)フランス語:CIM-10 )も必ず載せるルールのようです。元の診断基準に入ってないとなると、診断される数は減りそうです。

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なので専門医ですでに学んでいる医者でない限り診断をする機会が減るのではないでしょうか。

フランスの他の地域では、他の発達障害と同じように母子関係や家族関係、社会的な環境
(移民家庭、貧困、片親、離婚家庭、再構成家庭など)が原因と考えられやすく、診断がすぐにつかないことが多い印象です。

⒊ どうしたらいいのか?

家庭環境に原因探しをするよりも、どうしたら社会適応できるようになるか、その子どもの特性を理解してあげて、対応策を探って、発達を促してあげれるようになれたらいいのにと思っています。

落ち着きのない、集中力のないADHD傾向のあるお子さんは、社会の中では悪い子、落ち着きのない子と見られがちですが、それが子どもが悪気があってやっているんじゃないんです。

その裏にある特性を理解してあげて、対応してあげることが子どもの将来のために早急に期待されることです。それは専門家ではなくて、一番身近にいるお母さんがしてあげることが最初のステップになります!

 

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最後まで読んでいただきありがとうございます!

山田ちあき
発達科学コミュニケーショントレーナー

臨床心理士
Psychologue

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