オススメの発達障害グレーゾーン支援の本

今回は、私がいつもおすすめしている本を紹介します。
【発達障害とグレーゾーン】子どもの未来を変えるお母さんの教室
という脳科学者で発達臨床心理士の吉野加容子さんが書かれている本です。

おすすめする理由は、
お家でコミュニケーションを整えることでお子さんの脳を発達させる方法がわかりやすく書かれているからです。
発達障害についての説明やお家でどうやってお子さんに声をかけたらいいのか具体的に3ステップでわかりやすく書かれています。
この本を読んで実践するだけで困りごとがなくなる方も多くいます。
Kindleでも読めるので、海外在住でも手に入れやすいです。
ぜひ読んで試してみてください!

フランスには注意欠陥多動症(ADHD)は少ない?

フランスには注意欠陥多動症(ADHD)は少ない?

日本では落ち着かない、よく動く、すぐに話してしまう、お子さんは目立ちがちですよね。

海外、特にフランスでは子どもは落ち着かないのは当然という感覚があるようです。

なので、日本で目立つお子さんが、フランスではあまり目立たないということもあったりします。

とはいえ、フランスでも注意欠陥多動症(ADHD :Le TDAH)と診断のでるお子さんももちろんいます!今回は、その状況についてお伝えしますね。

フランスに住んでいて発達障害のうち「自閉症スペクトラム」かもしれないというときに役に立つ情報センターについてはこちら、

注意欠陥多動症(ADHD)は、英語ではattention deficit hyperactivity disorder、フランス語では、Trouble Déficit de l’Attention / Hyperactivité:Le TDAH
と呼ばれています。

典型的な症状としては、 「多動性(過活動)、不注意(注意障害)、衝動性」の三つがありますが、どれも同じように出ているわけではなくて、一つか二つの症状が強くでていることがほとんどです。

小さい頃は座っていられなかったり、すぐに飛び出して行ってしまったり、叩いてしまったりする多動性や衝動性が目立つことが多いですね。

不注意の子も実はたくさんいるのですが、周りにあまり迷惑がかからないので、目立ちにくいです。

集中力が短かったり、すぐに気が散ってしまって話を聞いていないことが多かったり、うっかり間違えることが多かったりするのが症状です。

話を聞いていなくて怒られたり、授業についていけなかったりしてどちらかというと本人が困っていることが多いです。

なので、お母さんが不注意の特性があると知っているとお子さんが怠けているわけではないとわかるので、親子共にとても助かりますね!

では、フランスにはどれくらいいるのかというと、2011年の研究によると(参考サイト)就学している子どものうち3.5 から 5.6%ぐらいが注意欠陥多動症(ADHD)とのこと。100人のうち3〜5人なので、25人クラスだと1クラスに1人ぐらいいるということになりますね!

そのうち65%は大人になるまで症状が残っていて、大人の人口のうち2.5%ぐらいが注意欠陥多動症(ADHD)といえるようです。

しかし、実情としてはこの注意欠陥多動症(Le TDAH)も、パリなどでは脳機能の障害として療育や治療がされているようですが、

フランスの他の地域では、他の発達障害と同じように母子関係や家族関係、社会的な環境(移民家庭、貧困、片親、離婚家庭、再構成家庭など)が原因と考えられやすく、診断がすぐにつかないことが多い印象です。

診断がつきにくいこともありますが、一般的にもあまり知られていないこともあり、学校でも「行動に問題がある」と怒られてしまうことが多いようで、自信をなくしてしまうお子さんが多いです。

どうしたら子どもの得意と苦手を理解して、得意を生かしながら生きることができるのか、親だけではなくて周りの大人たちと協力して育てていけたらいいのにと思っています。

よく動くお子さんへのお家でできる効果的な対応についてメールマガジンでお伝えしています!ぜひご登録ください。

山田ちあき

「スペシャルズ」絶賛上映中!フランスで自閉症ケア施設を守った男たちの実話

「スペシャルズ」絶賛上映中!フランスで自閉症ケア施設を守った男たちの実話

フランスの自閉症ケアの実情を感動のストーリーで描いた映画「スペシャルズ」が2020年9月11日から日本全国で絶賛上映中です!

フランスでもあまり知られていない自閉症ケアの実情が描かれた映画で、俳優さんたちもフランスの超一流。私が最近一番感銘を受けた映画でした。フランス語のタイトルは「Hors normes」です。

自閉症ケアだけでなくて、ケアをする移民の若者たちの現実も描かれていて、フランスの実情がよく描かれています。エッフェル塔やクロワッサン、カフェ、美味しいケーキ、おしゃれなフランス以外の「フランス」がみられます。

日本語に訳される日が来るなんてととても嬉しく思っています。

実はこの映画の日本語字幕を担当された丸山垂穂さんからこのサイトを通じてご連絡をいただき、自閉症関係の用語の翻訳について少しお手伝いをしたんです。発信をしていて良かったと思えたありがたい出来事でした!

この映画にはそんな経緯もあって思い入れがたくさんあります。

私の想いもこもっている日本語訳でぜひ「スペシャルズ」をたくさんの方々に見ていただけたら嬉しいです!

https://gaga.ne.jp/specials/

 

ADHD傾向:気がそれやすい子の集中力がグンと良くなる方法<ADHD 子育て>

ADHD傾向:気がそれやすい子の集中力がグンと良くなる方法<ADHD 子育て>

ADHD傾向があるお子さんは、人の話を聞いていてもすぐにどこかに気がそれていってしまうなんてこともありますね。今回は、ADHD傾向の気がそれやすい子は「どうして集中して話が聞けないの?」というご相談への回答と具体的にどんな対応ができるかお伝えします!

ADHD傾向の気がそれやすい小学校1年生のCちゃん。

学校でもお家でも大人が話していることを聞いていない様子で、外の音に反応して窓の方を見たりしているようです。消しゴムに鉛筆を刺すのはいつものことで消しゴムは穴だらけです。

学校の勉強もよくわからなくなってきたみたいで、家で一緒に勉強しようとしても、もすぐに違うところを見たりして、集中が続かなくてお母さんも困っています。

皆さんはどう思われましたか?

勉強に興味がないのかなと一思えるのですが集中力をコントロールすることが苦手なよう
にもみえます。

話に注意を集中させて、集中を継続できるようになるには、

①ひとつのこと(A)に注意を向け続ける力
②他のこと(B)に注意を切り替える力
③元のこと(A)に注意を向け戻す力

の3つの力が必要です。

話が聞けない子は、このどれかの力が弱いか何個かが弱いのです。

Cちゃんの場合は、お母さんのお話では

・好きなことには没頭して時間になってもやめられない

・マンガを読んでいる途中でレゴで遊びだして、その後カードをだしたりして部屋がぐちゃぐちゃとのことでした。

好きなことに没頭できるので①の力はありそうです。
違う遊びに切り替えることができているようなので②の力もはありそうです。
見えるもの、聞こえるものに反応して、元のことに戻ってこられなくなってしま
っているので、最後の③は難しそうな印象です。

この状態と、集中力のコントロールが難しい「不注意」の状態といいます。

では元に戻ってきてもらうためにできることって何でしょう。

「お〜い、戻っておいで!」と声をかける。で戻っていたら相談していませんよね。

まずは

聞いてほしい話があるときはこどもと目を合わせてから話しましょう!

気がそれてきているなと思ったら後ろから声をかけるのではなくてまた目を合わせて話しましょう

あまり落ち着かないようでしたら、5−10分で区切りを入れて気分転換にバランス感覚をつかえる遊びを入れるとスッキリするかもしれません。

注意を向け戻す練習としては遊びながら自分の体へ注意を向ける・向け戻す練習がオススメです。

例えば、背中に数字やひらがなを書いて当ててもらう

子どもが目をつぶっている間に手や足にポストイットを貼って、どこについているか当ててもらう

子どもが目をつぶっている間に背中などに洋服の上から洗濯バサミをつけて、どこについているか当ててもらう

足の裏にいろいろな肌触りのするもの(たわし、スポンジ、タオルなど)をこすりつけて、何か当ててもらう
などなど。

小さいお子さんには、「一本橋こちょこちょ♫」の遊びが自分の皮膚感覚に注意を向ける楽しい遊びですね。

やっている途中で注意がそれてしまっても、自分の体の感覚なので、注意を戻しやすい
んです。

お風呂に入っているときや、ちょっとした時間でぜひ試してみてくださいね。

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最後まで読んでいただきありがとうございます!

山田ちあき
発達科学コミュニケーショントレーナー

臨床心理士
Psychologue

どうして落ち着ついて話が聞けないの?〜発達が気になる子の感覚のアンバランスを攻略しよう!〜<ADHD 発達障害 子育て>

どうして落ち着ついて話が聞けないの?〜発達が気になる子の感覚のアンバランスを攻略しよう!〜<ADHD 発達障害 子育て>

発達が気になるお子さんたちには感覚のアンバランスさがあること
をお伝えしてきました。
今回は、発達が気になる子は「どうして落ち着ついて話が聞けないの?」
というよくある相談内容に具体的にどんな対応ができるかお伝えしたいと思います!

幼稚園の頃からよく動いて先生の話があまり
聞けていなかったC君。

大きくなれば落ち着くかと思っていたけれど、
小学校に入っても授業中に落ち着かずに先生の
話を聞けていないようです。

家に帰ってきて宿題をやる時にほとんど分かって
いなくてできません。

お父さんが説明をしても話を聞いていないのか、
机に突っ伏して消しゴムに鉛筆を刺したり、
椅子をグラグラしたりしています。

聞く気がないのかとお父さんに怒られ
ることが多くなってしまいました。

皆さんはこのお子さんの様子を想像して
どう思われましたか?

まず、机に突っ伏したり、椅子をグラグラ
させたりしているのを見て失礼な態度!と
イライラしませんか?

これ、ほんとに失礼な態度を見せてる子も
いますが、C君はには違う可能性ありそうです。

この違う可能性に気づいてあげられると、C君は
怒られ続けないで済みますよね。

それは、なんなのかというと、

バランス感覚(前庭覚)のトラブルです。
バランス感覚が十分に育っていないと、
自分の体のかたむきを感じとれなくて、
姿勢を保つことも難しいと言われています。

そして、椅子をグラグラさせるのも、脳に
バランス感覚の刺激がたりない状態に
なっていると、やってしまう行動です。

他にも高いところに登ったり、大きい声を
だして遊んだり、授業中に立ち歩いたり
する行動も同じようにバランス感覚の情報
が脳でうまく整理できていないと起こります。

いかがでしょうか。発達障害やグレーゾーン
でなくても、このバランス感覚の
トラブルがある子どもは結構いますよね。

そこで!できる対応は、

①公園で体を動かして楽しく遊びながら
バランス感覚を育てる!

→バランス感覚が必要なアスレチックや
ジャングルジム、ブランコ、滑り台、ぐるぐる
回る遊具など学校に行く前に15分ぐらいやる
と学校で結構落ちついていられるように
なります。

学校の後も外遊びに行くようにするとお家でも
落ち着いてきます。
普通の子どもの遊びですけど、意味があるもの
ですね!

②家の中で楽しくバランス感覚を育てる!

→・室内用トランポリンで、一人で飛ぶ高さ
の2倍ぐらい飛べるように大人が手や脇を
おさえて飛ぶ

・回転椅子に反対向きに乗せてぐるぐる回してあげる
・片足立ちで誰が一番長く立っていられるか競争
・頭の上に本を乗せてあるく

③できていることをなんでも褒める!

怒られることが多くなってしまうと、やる気が
でなくなってしまうものです。
少しでもできていること、やろうとしているこ
とがあったら、それを褒めてあげましょう。

それか、「あ、歯磨きしているんだね」
「お皿さげてくれるんだね」など
「あ、◯◯しようとしているんだね。」と
気づいていることを知らせてあげましょう。

自分がやろうとしていることに注目してもらえると
さらにやる気がでるものです。

お母さんに余裕がないときは、言葉で褒めたりでき
ないときもあると思います。

そんなときは、子どもをみてうなずくだけだったり、
手で◯を作って見せたり(お金の意味になる国に住ん
でいる場合は親指を上向きにしたグーの合図)だけ
でもいいので「見ているよ!」の合図をしてあげて
くださいね。

自分の子どもだと他の子どもと比べてついできないこと、
ダメなところが目に入ってしまっていろいろ言いたくなっ
てしまうものですね。

しかし、いくらいろいろなことができるようになっても、
いつも周りと比べていたらず〜と、誰かと比べたら全然ダメ
な状態が続いてしまいます。いつまでたってもOKな
状態にたどりつけなくなってしまいますね。

誰かと比べて何かができていなくても「自分は自分でいいんだ。」
苦手なことがあっても「自分って悪くない」という自己肯定感を
育ててあげたいですね。

この感覚が育てば、少し失敗してもめげないで立ち直れたり、
苦手なことにもチャレンジできるようになります!

私は、「発達科学コミュニケーション」を学んで
この自己肯定感の大切さを再確認しました!

子どもの様子がガラッと変わったのです。
頭ではわかっていても、実際にやれるか
どうかは、違うものですね!

落ち着いて話が聞けないお子さんに
どんな対応をしたら
いいのか知りたいという方には、
個別相談でお伝えします!

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臨床心理士
Psychologue

 

参考文献「発達障害の子の感覚遊び・運動遊び」木村順

フランスで発達障害の大人が働く職場の社長にインタビュー!<発達障害 海外 アスペルガー>

フランスで発達障害の大人が働く職場の社長にインタビュー!<発達障害 海外 アスペルガー>

昨日お伝えしたように、フランスで発達障害の人たちが働く会社を見つけて
今日電話で社長のLaurent Delannoyさんにインタビューさせてもらいました!

会社は、AVENCODというニースにあるITのベンチャー企業です。

アスペルガー症候群や高機能自閉症と呼ば
れている方々など(今は自閉症スペクトラム
と診断名は変わってきているのですが、
フランスではこちらでまだ呼ばれています)
を雇って、大手企業にITのサービス提供をし
ているそうです!

今日電話では、
⑴ どうしてこの会社を始めたのか?
⑵ 今後の展望
について伺いました。

1つ目の質問をしたら10分ぐらいたくさ
ん話してくれてメモ取るのが大変でした^^

この会社を始めたのは、
社長のLaurent Delannoyさんと
パートナーのLaurence Vanbergueさん
のお二人です。

親戚の中に3人障害をもった方がいて、
仕事をみつけるのがとても難しい、
あっても掃除などの仕事という話を聞い
ていたそうです。

そこで、何かできないかと考えて始められ
ました!

フランスで発達障害自閉症
スペクトラムの人は40万〜50万人のいて、
そのうち就職できているのは3〜5%だけだとか!

日本にもありますが、フランスでも会社は
障害を持った人を雇わないといけない
と法律があります。

La loi diversité et handicap de 2005
といって6%雇わないといけないのですが、
その通りに雇えない会社も多いようです。

6%雇えていない場合は国にお金を払わない
といけないので、そのお金を会社の中で有効
に伝えたらというメッセージを企業に伝えて
いるとのこと。

実際に、アスペルガーや高機能自閉症の方々は
すごい集中力でよく仕事をしてくれるので、
普通の人の3分の1で仕事が終わってしまうこ
とも!

その後、疲れ切ってしまうので枠を作ってあげ
るのが大切だとか。

残業を20時や22時までしてしまうので、
フランスの週35時間労働を守ってもらえる
ように工夫をしているそうです。

月曜日にメールで前の週働き過ぎた時間を知
らせてその週にその分休んでもらうようにし
ているのだとか。

会社の中では、彼らが集中できるように
・電話はならない!
・外部の人もこない!
という環境を確保しています。

こういった対応も自分たちで考え出したので
はなくて、まずニースにある自閉症情報
センターに問い合わせて相談したそうです。

今は2週間に1回心理士にオフィスと顧客
のところに来てもらって環境を見てもらっ
たり、アドバイスをしてもらっています。

今後の展望としては、15人から20人ぐらい
の支店をフランスの他の都市、
ナント、リヨン、ストラスブールや
マルセイユにつくっていきたいとのこと!

自閉症スペクトラムの人々の特性・能力を
理解して、社会に参加・還元できる形をつ
くりあげているのが素晴らしいですよね!

今後もどんどん活躍の場を広げていっても
らいたいと思いました!!

そして、「外部から人が来ない!」という
オフィスに邪魔にならないように見学させ
てもらえる方法はないものか相談させても
らいたいと密かに思っています。

アメリカでもMicrosoftなどがアスペルガーの
方々を雇っているのだとか。ヨーロッパは
始まったばかりで、フランス、スウェーデン
やノルウェーなどで増えてきているようです!

今後世界中で発達障害の方々の働く場がどん
どん増えていって欲しい
ですね。

そのために今できることを着実にしていきた
いと思いました!

最後に、
実は私、Asperger(アスペルガー)とフラン
ス語で言おうとすると、いつもつい
「アスペルジェ?アスペルジュ?
(野菜のアスパラガス)」と一人
混乱してました!(^^;)

今日冷静になって考えてみたら、

gerがフランス語だと普通は”ジェ”と発音する
ので、そこにつられてアスペルジェと言って
しまっていたと自覚。

この固有名詞はアメリカの発音のままで
「アスペルガー」と言って大丈夫なのだ
とインプットしました!

皆さんもフランス語でアスペルガーという時に
は、フランス語発音にしないで
さりげなく「アスペルガー」と言ってくださいね!
フランスではアスペルガーを知らない人も多いの
で、Autisteと言ったほうが通じるとは思いますが。

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ために今できることを知りたい
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