ぐるぐる考えてつらくなるとき、自分をいたわる実践を。10月8日開始予定の8週間オンラインコースをご案内します。

ぐるぐる考えてつらくなるとき、自分をいたわる実践を。10月8日開始予定の8週間オンラインコースをご案内します。

誰かの言葉が頭から離れないときに——自分をいたわる時間

誰かに言われた言葉を、帰宅してからも何度も思い返してしまうことはありませんか。

「もっとこう言えばよかった」
「相手は、どういうつもりだったんだろう」

考えても答えが出ないのに、頭の中では同じ場面が繰り返される。今日は、私自身がそんなときに行った、セルフ・コンパッションの実践をお伝えします。

頭の中で、同じ場面を繰り返していた

仕事から帰った後、人から言われたある言葉と、そのときの感覚が離れなくなったことがありました。

「もっとこうすればよかったのかもしれない」
「相手は、こう思っていたのかもしれない」

起こったことを何度も振り返り、ぐるぐる考え続けるうちに、自分がますますつらくなっていることに気づきました。

「あ、今、同じことを何度も考えているんだな」

そこで、少し自分をいたわる時間を取ることにしました。

考えることから、身体や気持ちに気づくことへ

目を閉じ、ゆったりと呼吸をしながら、身体の感覚に意識を向けてみました。

胸がキュッと締め付けられる。
お腹には、硬いものがあるような感覚。
肩にも力が入り、頭も重い。

そして、その感覚とともに、後悔や傷つき、悲しさがあることに気づきました。

相手の気持ちや、自分がどうすればよかったかを考え続けている間、自分自身が傷ついていることには、十分に目を向けられていなかったのだと思います。

「今、こんなふうに感じているんだな」

すぐに何とかしようとせず、その感覚がそこにあることを認めながら、身体にそっと手を当てました。

身体に優しく触れるこの実践は、MSCでは「スージングタッチ」と呼ばれています。

呼吸を続け、手の温かさを感じながら、自分をいたわる時間を持ちました。

「私だけじゃないんだね」

すると、少しずつ身体の緊張が緩み、胸に温かい感覚が広がってきました。

「私も精いっぱい頑張っている。それでも、こんなことはあるよね。きっと他の人も、同じようなことがあったら、傷ついたり後悔したりするんだろうな。私だけじゃないんだね」

そんな言葉が浮かんできました。

誰にでもあることだから、気にしなくていい。
そう片づけるのではなく、傷ついたり後悔したりするのは、自分だけではないと感じられたのです。

頭の中の張り詰めた感じも緩み、少し視野が広がるように感じました。その後は、穏やかな気持ちでゆっくり休むことができました。

そのときの自分に、どんな支えが必要だろう

これは、私自身の一つの体験です。毎回同じように落ち着くとは限りませんし、そのときによって必要な支えも違います。

家族や友人、同僚に話を聞いてもらう。
自分のカウンセラーに相談する。
仕事で担当しているケースについてなら、スーパーバイザーに相談する。

あるいは、シャワーを浴びる、散歩に出かける、ゆっくり休む。そんな時間が必要なこともあります。

「今、私は何を感じているんだろう」
「今の私には、どんな支えが必要だろう」

そう問いかけながら、自分に合う方法を探していきます。

セルフ・コンパッションは、つらさを抱えている自分に気づき、思いやりをもって関わる姿勢です。誰かの力を借りたり、自分が置かれている状況を変えるために行動したりすることも、その一つです。

MSC8週間オンラインコースのご案内

マインドフル・セルフ・コンパッション(MSC)では、瞑想やエクササイズ、対話を通して、こうした自分への関わり方を学び、日常の中で実践していきます。

自分の状態に気づくこと。
自分に思いやりを向けること。
つらさや不完全さを経験するのは、自分だけではないと思い出すこと。

さまざまな実践を、8週間かけて体験していくコースです。

2026年10月8日(木)開始予定のコースは、本日10月4日(日)が申込締切です。

  • 時間:毎週木曜日19:00〜22:00(日本時間)
  • 形式:オンライン
  • 内容:全8回+半日のリトリート
  • 通常参加費:74,000円(税込)

全日程・割引対象・お申し込みはこちら

なお、最少催行人数に満たない場合は、開催を延期いたします。開催可否は10月5日(月)に、お申し込みの皆さまへメールでお知らせいたします。

参加にあたって確認したいことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

山田千晶
MSC講師・臨床心理士・公認心理師

頑張り続けてしまう方へ ― バーンアウトとセルフ・コンパッション

頑張り続けてしまう方へ ― バーンアウトとセルフ・コンパッション

頑張り続ける私たちに、セルフ・コンパッションができること――バーンアウトに関する2つの講演から

今年、バーンアウトとセルフ・コンパッションをテーマにした二つの講演に参加する機会がありました。

一つは6月にオンラインで開催された、セルフ・コンパッション研究の第一人者であるKristin Neff博士とChristopher Germer博士による講演会。

そしてもう一つは、8月にパリで開催されたChristopher Germer博士による対面でのワークショップです。

どちらもテーマは「バーンアウト」。

日々仕事や家庭、人を支える役割の中で頑張り続ける私たちにとって、とても身近なテーマだと感じました。

バーンアウトは「頑張りが足りない」から起こるのではない

疲れているとき、私たちはつい、

「もっとちゃんとしなければ」
「このくらいで弱音を吐いてはいけない」
「もっと頑張れば何とかなる」

と、自分をさらに追い立ててしまうことがあります。

けれど、心身がすでに消耗しているときに、自己批判によってさらに頑張ろうとすると、かえって回復から遠ざかってしまうことがあります。

二つの講演を通して特に印象に残ったのは、セルフ・コンパッションは単に「自分にやさしくして休みましょう」という考え方ではない、ということでした。

まず、

「今、自分には何が起きているのだろう?」

と気づくこと。

そして、

「今の自分には何が必要だろう?」

と、自分自身に問いかけること。

必要なのは、休むことかもしれません。

誰かに助けを求めることかもしれません。

これ以上引き受けないように境界線を引くことかもしれません。

あるいは、自分にとって大切なことのために、勇気をもって行動することかもしれません。

セルフ・コンパッションは、いつも自分を甘やかすことではなく、その時の自分に本当に必要なものを見極め、応答していくことなのだと、あらためて感じました。

「やさしさ」と「強さ」の両方

セルフ・コンパッションというと、「自分を慰める」「自分にやさしい言葉をかける」といった柔らかな側面が思い浮かびやすいかもしれません。

けれど、ときには、

「これはもう抱えきれない」
「助けが必要だ」
「ここにはNOと言う必要がある」

と認めることも、セルフ・コンパッションです。

自分を守るために境界線を引いたり、状況を変えるために行動したりすることも含まれます。

バーンアウトというテーマを通して、セルフ・コンパッションには、自分をいたわるやさしさと、自分を守り行動する強さの両方があることを改めて考えさせられました。

パリでChris Germer博士にお会いして

8月のパリでの講演では、Chris Germer博士のお話を直接聞くことができました。

長年セルフ・コンパッションを研究し、世界中で伝えてきた方ですが、実際にお会いすると、とても温かく、穏やかで、まさにloving-kindnessを体現しているような方でした。

翌日にはMSC講師向けの集まりにも参加し、Chris博士やフランスをはじめとするヨーロッパのMSC講師たちと、MSCをどのように社会に届けていくかについて話し合う機会もありました。


*2026年8月、パリでのワークショップにてChris Germer博士と

バーンアウトは、個人が「もっと上手にストレス管理をすればいい」という問題だけではありません。

職場環境や人間関係、役割の負担など、周囲の環境も大きく関係します。

だからこそ、セルフ・コンパッションを通して自分自身を支えることと同時に、

「自分に何が必要なのか」
「何を変える必要があるのか」

に気づいていくことも大切なのだと思います。

「もっと頑張る」以外の選択肢を

私自身も、以前は自分を批判することで成長できると思っていました。

できていないところを見つけては、

「もっと頑張らなければ」

と自分を奮い立たせる。

けれど、その方法だけでは、いつまでも心が休まりませんでした。

セルフ・コンパッションを学ぶ中で、

自分を責めなくても、自分を支えながら前に進むことはできる

ということを少しずつ体験してきました。

今回、オンラインとパリで二度にわたってバーンアウトについて学び、改めて、

「頑張ることをやめる」のではなく、
「自分を傷つけながら頑張ることから降りていく」

ということが大切なのではないかと感じています。

疲れているとき。

うまくいかないとき。

心に余裕がなくなっているとき。

そんなときに、

「もっと頑張らなきゃ」ではなく、
「今の私には何が必要だろう?」

と立ち止まる。

その小さな問いかけが、自分自身との関わり方を変えていく一歩になるのかもしれません。

10月8日から開催するMSC8週間オンラインコースでも、「今の自分には何が必要だろう?」という問いを大切にしながら、困難なときに自分自身を支えるさまざまな実践を、8週間かけて体験していきます。

9月26日(土)には無料体験説明会も予定しています。

https://peatix.com/group/16460018

【無料オンライン講演会のご案内】

セルフ・コンパッション(自分への思いやり)の研究と実践を世界に広めてきたクリスティン・ネフ博士とクリストファー・ガーマー博士によるオンライン講演会が開催されます。

今回のテーマは「バーンアウト(燃え尽き)」。

頑張り続けているのに疲れが取れない、自分に厳しくしすぎてしまう、そんな現代人が抱えやすいテーマについて、セルフ・コンパッションの視点からお話しされます。

日時:2026年6月10日(水)19:00~20:30(フランス時間)
※日本時間:6月11日(木)午前2:00~
※録画視聴(リプレイ)あり(英語・フランス語)

参加費:無料

詳細・お申し込み:
https://www.billetweb.fr/rencontre-avec-kristin-neff-et-christopher-germer

「ケアする人」を支えるセルフ・コンパッション

「ケアする人」を支えるセルフ・コンパッション

フランス・ケベック共同のMSC講師養成に参加して感じたこと

医療や対人支援の現場で働く方とお話ししていると、
こんな言葉を聞くことがあります。

「休んでいるのに、休まらない」

「頭ではわかっているのに、切り替えられない」

「もっと頑張らなきゃと思ってしまう」

「人には優しくできるのに、自分には厳しい」

子育て支援でも、医療でも、教育でも。

“人を支える人”ほど、
自分を後回しにしながら、
限界ギリギリまで頑張っていることがあります。

私は今回、
フランスとケベックのチームによる
「医療・ケア職向けMSC(Mindful Self-Compassion)」の
講師養成プログラムに参加しました。

MSCは、
「自分にやさしくする」ための
単なるリラクゼーションではありません。

苦しさや失敗、限界を感じたときに、
“自分を責める”のではなく、
自分とどう関わるかを学ぶ実践です。

今回特に印象的だったのは、
“説明すること”よりも、
「体験すること」や「分かち合うこと」が
とても大切にされていたことでした。

つい私たちは、
理解しよう、説明しよう、
正しく伝えようとしてしまいます。

けれど実際には、
人は「わかった」だけでは変わらない。

安心できる場で、
少し立ち止まり、
自分の体験に触れ、
誰かと共有する。

そのプロセスの中で、
少しずつ何かがほどけていく。

そんなことを改めて感じました。

また、医療職の方々を対象に行うときには、
特有の難しさや繊細さがあることも学びました。

責任の重さ。

「間違えてはいけない」という緊張。

感情よりも先に“対応すること”が求められる環境。

そして、
「自分のことは後回し」が当たり前になっている文化。

だからこそ、
セルフ・コンパッションは
「甘やかし」ではなく、
“燃え尽きずにケアを続けるための土台”として
必要なのだと感じています。

今回の学びを通して、
私自身も、
これからの8週間プログラムでは、
説明を増やすより、
体験や対話、分かち合いに
もっと勇気を持ってスペースを作っていきたいと感じています。

理解することも大切。

でも、
安心して感じられること。

「ひとりじゃない」と思えること。

それが、
人が回復していく上で、
とても大切なのだと思います。

ケアする人が、
自分自身を置き去りにしないこと。

そのための学びを、
これからも深めていきたいと思います。


臨床心理士・公認心理師
山田ちあき

「がんばってるのに満たされない」あなたへ──セルフ・コンパッション入門講座(開催報告)

「がんばってるのに満たされない」あなたへ──セルフ・コンパッション入門講座(開催報告)

2025年7月5日(土)と12日(土)、MSC認定講師の松本真紀子さんと一緒に
2日間にわたって開催された 「はじめてのセルフ・コンパッション オンライン講座」 が無事に終了しました。

ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。


講座タイトル:

がんばってるのに満たされないあなたへ――他人軸から、自分とつながる生き方へ


2日間でじっくり体験した内容

この講座では、「セルフ・コンパッションって何?」を知識ではなく、“体感”で学ぶことを大切に、以下のようなエクササイズを中心に行いました。

Day1:「やさしくするってどういうこと?」を感じる時間

  • 瞑想を通して自分の内側に意識を向ける

  • 「自分にかけている言葉」に気づくワーク

  • スージングタッチや、やさしい身体の動き

  • 安心とあたたかさを感じる実践

Day2:「日常にやさしさを根づかせる」ための実践

  • 慈しみの呼吸、マインドフルネス瞑想

  • 「やさしさがつらくなる時(バックドラフト)」の理解と対処

  • 日々の中でセルフ・コンパッションを育てる工夫

講座は2回に分けて開催したことで、
初回で得た感覚がじんわりと日常に染み込み、
2回目にはそれぞれの「変化」や「気づき」が生まれていました。


講師としての感想|緩むことの大切さをあらためて実感

準備をしているときから、ふっとセルフ・コンパッションが自分自身にも向いていたことに気づきました。
あわただしい夏の日々の中で、この講座の時間が、私自身にとっても深く緩む貴重なひとときになっていたのです。

画面越しとはいえ、参加者のみなさんの静けさ、真剣さ、そしてやさしさが伝わってきて、
終わったあとの空気感は、ほんの少し「自分を大切にできている自分」がそこにいるような、そんな感覚でした。


この講座で大切にしたこと

  • 誰かと比べなくていい

  • 黙っていてもOK

  • ただ「今の自分」をそのまま感じてみる

講座中、ある方が最後にひと言だけぽつりと話された感想が、今も心に残っています。
「自分にやさしくするって、こんなにゆっくりでいいんですね」

そう。がんばらなくても、大丈夫なんです。


こんな方に向けた講座でした

  • いつも人のことばかり優先して、自分は後回しになっている

  • 自己否定のクセに悩んでいる

  • がんばってるのに、なぜか心が満たされない

  • 人と話すのが得意ではないけれど、安心できる場を探している

「私だけがつらいんじゃなかったんだ」と思える時間を過ごしたい方に、そっと寄り添う講座でした。


セルフ・コンパッションは、“がんばらないケア”

セルフ・コンパッションは、
自分にムリなく寄り添うための“生き方のスキル”です。

そしてそれは、誰かのために頑張っている人ほど、本当は必要としているもの。

今回の講座が、参加者の皆さんにとって、
ほんの少しでも「安心して自分に戻れる感覚」を持ち帰っていただけていたら嬉しいです。


🌱 次回の開催について

この講座は今後も不定期で開催を予定しています。
また、より深く実践したい方向けに、8週間のMSCプログラムもご案内しています。

最新情報はこちらをご覧ください。
▶ 講座・イベントのお知らせページへ


講師:山田ちあき
臨床心理士/公認心理師/MSC講師(フランス在住)

静かに、自分にやさしく戻っていく時間|単発オンラインリトリート開催レポート

静かに、自分にやさしく戻っていく時間|単発オンラインリトリート開催レポート

先日、単発オンラインリトリートをMSC認定講師の松本真紀子さんと一緒に開催しました。
ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。

画面越しではありながら、ひとりひとりの「いまここ」の呼吸や静けさが丁寧に重なり合い、
とても温かく、やさしい空間が生まれていたのを感じました。


今回のリトリートでご一緒したこと

今回のリトリートでは、以下のようなプログラムをゆったりとした流れで行いました。

  • ボディスキャン

  • ゆっくり歩く瞑想

  • 呼吸や身体感覚に意識を向けるやさしい呼吸の瞑想

  • 食べ物の味わいを深く感じるマインドフル・イーティングの時間

  • 身体をいたわるやさしい動き(マインドフル・ムーブメント)

  • 「自分を大切にする気持ち」を育てるラビング・カインドネス瞑想

  • 最後には、自由な振り返りとシェア

4時間という時間の中で、外の世界の音を少し遠ざけながら、
自分の身体と感覚、そして心にそっと耳を傾ける——そんな時間をご一緒しました。


講師として感じたこと

私自身も、皆さんと一緒に瞑想をしていく中で、
自分の中の温かさに繋がるような感覚が何度も訪れました。

それはまるで、
「温泉にゆったり浸かったときのように、じんわりと緩んでいく感覚」でした。

静かに、だけど確かに、自分にやさしさが戻ってくる——
このリトリートの中で、そんな時間が流れていたように思います。


ご参加いただいた皆さまへ

日常に戻ったあとも、リトリートでの静けさや温かさが、
ふとしたときに心や身体に思い出されることがあります。

それが、日々の小さな支えや安心感につながっていたらうれしいです。

また、同じようなリトリートやMSCの講座をご案内することもありますので、
関心のある方はお気軽にご覧くださいね。

🕊 最新の開催予定はこちら →


さいごに

静かな時間の中で、自分自身に寄り添う。
それは決して特別なことではなく、いつでも「戻ってこられる場所」なのだと、
このリトリートを通して改めて感じました。

またご一緒できる機会を、心から楽しみにしています。

山田ちあき