投稿者 Chiaki YAMADA | 2026 06 10 | セルフコンパッション
【無料オンライン講演会のご案内】

セルフ・コンパッション(自分への思いやり)の研究と実践を世界に広めてきたクリスティン・ネフ博士とクリストファー・ガーマー博士によるオンライン講演会が開催されます。
今回のテーマは「バーンアウト(燃え尽き)」。
頑張り続けているのに疲れが取れない、自分に厳しくしすぎてしまう、そんな現代人が抱えやすいテーマについて、セルフ・コンパッションの視点からお話しされます。
日時:2026年6月10日(水)19:00~20:30(フランス時間)
※日本時間:6月11日(木)午前2:00~
※録画視聴(リプレイ)あり(英語・フランス語)
参加費:無料
詳細・お申し込み:
https://www.billetweb.fr/rencontre-avec-kristin-neff-et-christopher-germer
投稿者 Chiaki YAMADA | 2026 05 6 | 子育て
フランス・ケベック共同のMSC講師養成に参加して感じたこと
医療や対人支援の現場で働く方とお話ししていると、
こんな言葉を聞くことがあります。
「休んでいるのに、休まらない」
「頭ではわかっているのに、切り替えられない」
「もっと頑張らなきゃと思ってしまう」
「人には優しくできるのに、自分には厳しい」
子育て支援でも、医療でも、教育でも。
“人を支える人”ほど、
自分を後回しにしながら、
限界ギリギリまで頑張っていることがあります。
私は今回、
フランスとケベックのチームによる
「医療・ケア職向けMSC(Mindful Self-Compassion)」の
講師養成プログラムに参加しました。
MSCは、
「自分にやさしくする」ための
単なるリラクゼーションではありません。
苦しさや失敗、限界を感じたときに、
“自分を責める”のではなく、
自分とどう関わるかを学ぶ実践です。
今回特に印象的だったのは、
“説明すること”よりも、
「体験すること」や「分かち合うこと」が
とても大切にされていたことでした。
つい私たちは、
理解しよう、説明しよう、
正しく伝えようとしてしまいます。
けれど実際には、
人は「わかった」だけでは変わらない。
安心できる場で、
少し立ち止まり、
自分の体験に触れ、
誰かと共有する。
そのプロセスの中で、
少しずつ何かがほどけていく。
そんなことを改めて感じました。
また、医療職の方々を対象に行うときには、
特有の難しさや繊細さがあることも学びました。
責任の重さ。
「間違えてはいけない」という緊張。
感情よりも先に“対応すること”が求められる環境。
そして、
「自分のことは後回し」が当たり前になっている文化。
だからこそ、
セルフ・コンパッションは
「甘やかし」ではなく、
“燃え尽きずにケアを続けるための土台”として
必要なのだと感じています。
今回の学びを通して、
私自身も、
これからの8週間プログラムでは、
説明を増やすより、
体験や対話、分かち合いに
もっと勇気を持ってスペースを作っていきたいと感じています。
理解することも大切。
でも、
安心して感じられること。
「ひとりじゃない」と思えること。
それが、
人が回復していく上で、
とても大切なのだと思います。
ケアする人が、
自分自身を置き去りにしないこと。
そのための学びを、
これからも深めていきたいと思います。
臨床心理士・公認心理師
山田ちあき
投稿者 Chiaki YAMADA | 2025 08 19 | 子育て
2025年7月5日(土)と12日(土)、MSC認定講師の松本真紀子さんと一緒に
2日間にわたって開催された 「はじめてのセルフ・コンパッション オンライン講座」 が無事に終了しました。
ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
講座タイトル:
がんばってるのに満たされないあなたへ――他人軸から、自分とつながる生き方へ
2日間でじっくり体験した内容
この講座では、「セルフ・コンパッションって何?」を知識ではなく、“体感”で学ぶことを大切に、以下のようなエクササイズを中心に行いました。
Day1:「やさしくするってどういうこと?」を感じる時間
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瞑想を通して自分の内側に意識を向ける
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「自分にかけている言葉」に気づくワーク
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スージングタッチや、やさしい身体の動き
-
安心とあたたかさを感じる実践
Day2:「日常にやさしさを根づかせる」ための実践
講座は2回に分けて開催したことで、
初回で得た感覚がじんわりと日常に染み込み、
2回目にはそれぞれの「変化」や「気づき」が生まれていました。
講師としての感想|緩むことの大切さをあらためて実感
準備をしているときから、ふっとセルフ・コンパッションが自分自身にも向いていたことに気づきました。
あわただしい夏の日々の中で、この講座の時間が、私自身にとっても深く緩む貴重なひとときになっていたのです。
画面越しとはいえ、参加者のみなさんの静けさ、真剣さ、そしてやさしさが伝わってきて、
終わったあとの空気感は、ほんの少し「自分を大切にできている自分」がそこにいるような、そんな感覚でした。
この講座で大切にしたこと
-
誰かと比べなくていい
-
黙っていてもOK
-
ただ「今の自分」をそのまま感じてみる
講座中、ある方が最後にひと言だけぽつりと話された感想が、今も心に残っています。
「自分にやさしくするって、こんなにゆっくりでいいんですね」
そう。がんばらなくても、大丈夫なんです。
こんな方に向けた講座でした
「私だけがつらいんじゃなかったんだ」と思える時間を過ごしたい方に、そっと寄り添う講座でした。
セルフ・コンパッションは、“がんばらないケア”
セルフ・コンパッションは、
自分にムリなく寄り添うための“生き方のスキル”です。
そしてそれは、誰かのために頑張っている人ほど、本当は必要としているもの。
今回の講座が、参加者の皆さんにとって、
ほんの少しでも「安心して自分に戻れる感覚」を持ち帰っていただけていたら嬉しいです。
🌱 次回の開催について
この講座は今後も不定期で開催を予定しています。
また、より深く実践したい方向けに、8週間のMSCプログラムもご案内しています。
最新情報はこちらをご覧ください。
▶ 講座・イベントのお知らせページへ
講師:山田ちあき
臨床心理士/公認心理師/MSC講師(フランス在住)
投稿者 Chiaki YAMADA | 2025 08 19 | 子育て
先日、単発オンラインリトリートをMSC認定講師の松本真紀子さんと一緒に開催しました。
ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
画面越しではありながら、ひとりひとりの「いまここ」の呼吸や静けさが丁寧に重なり合い、
とても温かく、やさしい空間が生まれていたのを感じました。
今回のリトリートでご一緒したこと
今回のリトリートでは、以下のようなプログラムをゆったりとした流れで行いました。
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ボディスキャン
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ゆっくり歩く瞑想
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呼吸や身体感覚に意識を向けるやさしい呼吸の瞑想
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食べ物の味わいを深く感じるマインドフル・イーティングの時間
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身体をいたわるやさしい動き(マインドフル・ムーブメント)
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「自分を大切にする気持ち」を育てるラビング・カインドネス瞑想
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最後には、自由な振り返りとシェア
4時間という時間の中で、外の世界の音を少し遠ざけながら、
自分の身体と感覚、そして心にそっと耳を傾ける——そんな時間をご一緒しました。
講師として感じたこと
私自身も、皆さんと一緒に瞑想をしていく中で、
自分の中の温かさに繋がるような感覚が何度も訪れました。
それはまるで、
「温泉にゆったり浸かったときのように、じんわりと緩んでいく感覚」でした。
静かに、だけど確かに、自分にやさしさが戻ってくる——
このリトリートの中で、そんな時間が流れていたように思います。
ご参加いただいた皆さまへ
日常に戻ったあとも、リトリートでの静けさや温かさが、
ふとしたときに心や身体に思い出されることがあります。
それが、日々の小さな支えや安心感につながっていたらうれしいです。
また、同じようなリトリートやMSCの講座をご案内することもありますので、
関心のある方はお気軽にご覧くださいね。
🕊 最新の開催予定はこちら →
さいごに
静かな時間の中で、自分自身に寄り添う。
それは決して特別なことではなく、いつでも「戻ってこられる場所」なのだと、
このリトリートを通して改めて感じました。
またご一緒できる機会を、心から楽しみにしています。
山田ちあき
投稿者 Chiaki YAMADA | 2025 08 19 | 子育て
こんにちは。
フランス・カンヌ在住の臨床心理士/公認心理師、そしてMSC(マインドフル・セルフ・コンパッション)講師の山田ちあきです。
この記事では、私がMSCの講座やリトリートなどでときどき取り上げている
「セルフ・コンパッション尺度(Self-Compassion Scale:SCS)」日本語版についてご紹介します。
セルフ・コンパッションとは?
セルフ・コンパッションとは、つらいときや失敗したときに、自分自身に対して思いやりを向ける姿勢のことです。
アメリカの心理学者クリスティン・ネフ博士は、セルフ・コンパッションを次の3つの柱で定義しています:
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自己への優しさ(Self-Kindness)
→ 自分を責めるのではなく、親しい人に接するようにやさしく接すること
-
共通の人間性(Common Humanity)
→ 自分だけがつらいのではなく、人間である以上、誰しも苦しみを経験するという理解
-
マインドフルネス(Mindfulness)
→ 苦しみを否定せず、過剰に巻き込まれず、バランスよく気づいていること
セルフ・コンパッションは、自己批判や孤独感をやわらげ、ストレス耐性や幸福感を高める力があると、近年とても注目されています。
セルフ・コンパッション尺度(SCS)とは?
この「セルフ・コンパッション」を数値で可視化するために、
2003年にKristin Neff博士が開発したのが、**セルフ・コンパッション尺度(SCS)**です。
26項目から成り、6つの下位尺度で構成されています。
それぞれが、「セルフ・コンパッションのある状態」と「困難な反応傾向」の両面を測っています。
日本語版SCSは一般公開されています
日本語版のSCS(26項目)は、PDF形式で一般公開されています。
信頼できる翻訳と共に、日本語でそのまま使えるようになっています。
📄 日本語版SCSのPDFはこちら:
日本語版尺度(26項目)出典 Arimitsu, K. (2014). Development and validation of the Japanese version of the Self-Compassion Scale. Japanese Journal of Psychology, 85(1), 50-59.
🔗 https://self-compassion.org/wp-content/uploads/2018/05/JapaneseSCS.pdf
回答形式は、「1=ほとんど全くそうしない」〜「5=ほとんどいつもそうする」の5段階です。
ご自身の傾向をざっくり確認するのにも役立ちます。
採点の仕方が少々わかりにくいので、ご質問がある方はお気軽にお問い合わせください。
英語版オンラインテストもあります
Neff博士の公式サイトでは、英語にはなりますが、セルフ・コンパッションを簡易に測れるオンラインテストも公開されています。
英語に抵抗がない方はこちらもチェックしてみてください。
🧭 英語版オンラインテスト(Neff公式)
SCSを使う意味とは?
SCSは「自分にやさしくできているかどうか」をジャッジするためのものではありません。
むしろ、
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自分がどこでつまずきやすいのか
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どんな場面で自己批判が強まるのか
-
どの要素はすでに育っているのか
そうした内面的な傾向に気づくためのツールです。
MSC(マインドフル・セルフ・コンパッション)プログラムの中でも、変化を測るための尺度として活用されており、研究や教育、臨床の場面でも使用されています。
まとめ|「自分にやさしいかどうか」は見える化できる
セルフ・コンパッション尺度(SCS)は、
「自分との向き合い方」を静かに見つめ直すための入り口になります。
数値そのものに意味があるというよりも、
そこから生まれる気づきが、自分との関係を少しずつ変えていくヒントになるのだと思います。
まずは気軽にPDFを開いて、数問だけでも問いを読んでみてください。
その瞬間から、セルフ・コンパッションの第一歩は始まっているのかもしれません。
この記事を書いた人:
山田ちあき|臨床心理士・公認心理師・MSC講師
フランス・カンヌ在住。オンラインでMSC講座やリトリート、セルフ・コンパッションの実践をサポートしています。
🕊 最新のワークショップ・講座情報はこちら →