こんにちは。
フランス・カンヌ在住の臨床心理士/公認心理師、そしてMSC(マインドフル・セルフ・コンパッション)講師の山田ちあきです。
この記事では、私がMSCの講座やリトリートなどでときどき取り上げている
「セルフ・コンパッション尺度(Self-Compassion Scale:SCS)」日本語版についてご紹介します。
セルフ・コンパッションとは?
セルフ・コンパッションとは、つらいときや失敗したときに、自分自身に対して思いやりを向ける姿勢のことです。
アメリカの心理学者クリスティン・ネフ博士は、セルフ・コンパッションを次の3つの柱で定義しています:
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自己への優しさ(Self-Kindness)
→ 自分を責めるのではなく、親しい人に接するようにやさしく接すること -
共通の人間性(Common Humanity)
→ 自分だけがつらいのではなく、人間である以上、誰しも苦しみを経験するという理解 -
マインドフルネス(Mindfulness)
→ 苦しみを否定せず、過剰に巻き込まれず、バランスよく気づいていること
セルフ・コンパッションは、自己批判や孤独感をやわらげ、ストレス耐性や幸福感を高める力があると、近年とても注目されています。
セルフ・コンパッション尺度(SCS)とは?
この「セルフ・コンパッション」を数値で可視化するために、
2003年にKristin Neff博士が開発したのが、**セルフ・コンパッション尺度(SCS)**です。
26項目から成り、6つの下位尺度で構成されています。
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自己への優しさ(Self-Kindness)
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自己批判(Self-Judgment)
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共通の人間性(Common Humanity)
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孤立感(Isolation)
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マインドフルネス(Mindfulness)
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過剰同一化(Over-Identification)
それぞれが、「セルフ・コンパッションのある状態」と「困難な反応傾向」の両面を測っています。
日本語版SCSは一般公開されています
日本語版のSCS(26項目)は、PDF形式で一般公開されています。
信頼できる翻訳と共に、日本語でそのまま使えるようになっています。
📄 日本語版SCSのPDFはこちら:
日本語版尺度(26項目)出典 Arimitsu, K. (2014). Development and validation of the Japanese version of the Self-Compassion Scale. Japanese Journal of Psychology, 85(1), 50-59.
🔗 https://self-compassion.org/wp-content/uploads/2018/05/JapaneseSCS.pdf
回答形式は、「1=ほとんど全くそうしない」〜「5=ほとんどいつもそうする」の5段階です。
ご自身の傾向をざっくり確認するのにも役立ちます。
採点の仕方が少々わかりにくいので、ご質問がある方はお気軽にお問い合わせください。
英語版オンラインテストもあります
Neff博士の公式サイトでは、英語にはなりますが、セルフ・コンパッションを簡易に測れるオンラインテストも公開されています。
英語に抵抗がない方はこちらもチェックしてみてください。
SCSを使う意味とは?
SCSは「自分にやさしくできているかどうか」をジャッジするためのものではありません。
むしろ、
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自分がどこでつまずきやすいのか
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どんな場面で自己批判が強まるのか
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どの要素はすでに育っているのか
そうした内面的な傾向に気づくためのツールです。
MSC(マインドフル・セルフ・コンパッション)プログラムの中でも、変化を測るための尺度として活用されており、研究や教育、臨床の場面でも使用されています。
まとめ|「自分にやさしいかどうか」は見える化できる
セルフ・コンパッション尺度(SCS)は、
「自分との向き合い方」を静かに見つめ直すための入り口になります。
数値そのものに意味があるというよりも、
そこから生まれる気づきが、自分との関係を少しずつ変えていくヒントになるのだと思います。
まずは気軽にPDFを開いて、数問だけでも問いを読んでみてください。
その瞬間から、セルフ・コンパッションの第一歩は始まっているのかもしれません。
この記事を書いた人:
山田ちあき|臨床心理士・公認心理師・MSC講師
フランス・カンヌ在住。オンラインでMSC講座やリトリート、セルフ・コンパッションの実践をサポートしています。
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