海外在住の方の中には国際結婚をして旦那さんの国に暮らしている方、他の国に暮らしている方もいらっしゃると思います。ここでは、国際結婚家庭の乗り越えるべき危機について6ステップでお伝えします。今回は赤ちゃんが生まれた時の危機とその乗り越え方をお伝えします。

下の国際結婚家庭のライフサイクル:6つのステップ

ステップ1:子どもがいない時期(共同生活の始まり)
ステップ2:乳幼児の子どもがいる時期
ステップ3:学校に通う6歳〜12歳の子どもがいる時期
ステップ4:12歳〜18歳の思春期の子どもがいる時期
ステップ5:18歳を以上の子どもと同居する時期
ステップ6:子どもが巣立っていった後、リタイア後

のうち
ここでは、ステップ2:乳幼児の子どもがいる時期に
しておいて欲しいこと
についてお伝えます!

今までは夫婦だけ、2人だけの関係でしたが、子どもが生まれると3人になります。妻・夫としての役割だけではなく、子どもに対してお母さん、お父さんという新しい役割が生まれることになります!

子どもが生まれると、夫婦それぞれ自分が子どもだったときのことを思い出すもの
ですね。

お母さんがしてくれたこと、お父さんがしてくれたこと、そのイメージから母親の役割、父親の役割、親の役割について思い描くようになります。

文化が違って、育ってきた環境が違う二人ですから、それぞれのお母さん、お父さんのしていたこと、役割も違うものでしょう。

日本人同士でもそうですが、この時に、それぞれの親としての役割、夫婦の役割、親としての子どもへの態度、について「意見を一致」させることができるかどうか大事となります。

例えば、日本人同士では、自分のお母さんは専業主婦だったから、子どもが小さいうちはお母さんが家にいて見てあげた方がいいという「お母さんとしての役割」を期待する男性も少なくないのではないでしょうか。

女性も自分のお母さんがそうだったから、そうした方が子どものためにはいいのかもしれないと思いつつ、今までやってきた「仕事も続けて自分らしく生きたい!」
という思いと両方持っている方も多いと思います。

また、育児・家事を女性一人がやるのか、分担するのか、どれくらい分担するのか、という夫婦の役割分担についてもとても重要ですね。

子どもへの態度の例としては、最近では「お母さんか厳しく、お父さんは優しく?」で、お母さんは、お父さんが子どもへ甘すぎて腹がたつ!といったところでしょうか。

このように新しい親としての役割、夫婦の役割、子どもへの態度について話し合い、お互いに納得いく形で意見を一致させることができるかどうかが重要な子育てのポイントになります。

もちろん欧米人同士でも2人の夫婦関係から3人の関係に変わり、お互いの子どもへの態度役割の取り方を受け入れられなくてぶつかりあってしまうことも少なくありません。

例えば、赤ちゃんが生まれると、奥さんがお母さんとしての役割(当たり前ですが)で忙しくなってしまって、旦那さんを前のように構う時間がなくなってしまいますね。

そこで、旦那さんが寂しくなって、子どもに八つ当たりをするようになったり、奥さんが旦那さんの子どもへの教育の仕方(フランスの昔ながらの厳しい体罰を使った方法)に納得できなかったりしてうまくいかなくなってしまった例もあります。

日本では、子どもが生まれると女性はお母さん、男性はお父さんになりますね。夫婦の間の呼び方もお互いに「お母さん(ママ)」「お父さん(パパ)」となることが多いと思います。

呼び名のように家庭内の関係は、子どもが中心になってきますね。そこでは夫婦としての関係は、だんだんとうすーくなっていきます。

日本の家庭では、この変化は普通のことなのですが、欧米では夫婦は夫婦としての関係を大切にしますね。

フランスでは、赤ちゃんを誰かに預けて二人でディナーに行くことは普通ですし、
1週間の旅行に行ってきたなんて人もザラにいるものです。

このように日本の当たり前の夫婦の役割の変化が、欧米の男性には普通ではないので、日仏カップルでは日本の女性は子どもが生まれると人が変わってしまって女性ではなくなってしまった!となげかれてしまうこともあります。

2人の関係から3人の関係へと変わり、2人のときには見えてこなかった違いがもっと明らかに見えてくるようになるんです。

それぞれの役割、子どもへの親としての態度などについてのお互いの価値観、その優先順位、ゆずれるものなのかどうか?

じっくり話し合って「意見を一致」させることができるかどうかで、その後の夫婦関係がうまくいくかがかかっているといってもいいと思います。

さて、子どもの方は、マズローの欲求5段階説でいわれているように食べたい、飲みたい、寝たいといった、生きていくための本能的、生理的欲求が満たされて、安全に暮らしたいという欲求が満たされる必要があります。

次に、社会的欲求として「属すること」を求めることになります。

0歳から6歳までの乳幼児期に、子どもは、自分が属する世界のイメージを作ることになります。

その時期に、両親がつくってあげる周りとの関係でその自分が属する世界のイメージができていきます。

その周りとの関係としては、国際結婚家庭ではだいたい2つのパターンがあると言われています。

1、文化の違いや価値観の違いで、子どもが混乱するのではないかと恐れて、同じような環境(周囲の人々、言語、生活様式、社会的な態度)で子どもを育てる。

2、最初から、バランスよく二つの文化を伝えようと心がけて外の世界に開かれ
た生活様式
で子どもを育てる。

1のパターンだと両親のどちらかの文化がはぶかれてしまうことになります。

それは子どもが小さい間も、子どもが思春期になったときも両親二人と子どもの自然で楽な関係を作ることが難しくなるので、あまりお勧めできないパターンです。

2のパターンは、母親・父親となって今まで意識していなかったお互いの違いが
明らかになっても、それを夫婦で乗り越えられた
パターンといえます。

このような関係であれば、子どもは安心して自然に、自分が二つの文化に「属している」ことを受け入れて、のびのびと豊かに育っていくことができるようになります!

この時期には、ぜひ、お子さんのためにもそれぞれ親としての役割、親としての子どもへの態度、夫婦の役割について夫婦でコミュニケーションをとって、お互いに納得した形で意見を一致できるように取り組みましょう!!

ことばの遅れのあるお子さん、発達障害グレーゾーンのお子さんへの親としてのかかわり方も、この時期に夫婦で話し合って意見を一致させていくことになります。

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最後まで読んでいただきありがとうございます!

山田ちあき
発達科学コミュニケーショントレーナー

臨床心理士
Psychologue

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