誰かの言葉が頭から離れないときに——自分をいたわる時間
誰かに言われた言葉を、帰宅してからも何度も思い返してしまうことはありませんか。
「もっとこう言えばよかった」
「相手は、どういうつもりだったんだろう」
考えても答えが出ないのに、頭の中では同じ場面が繰り返される。今日は、私自身がそんなときに行った、セルフ・コンパッションの実践をお伝えします。
頭の中で、同じ場面を繰り返していた
仕事から帰った後、人から言われたある言葉と、そのときの感覚が離れなくなったことがありました。
「もっとこうすればよかったのかもしれない」
「相手は、こう思っていたのかもしれない」
起こったことを何度も振り返り、ぐるぐる考え続けるうちに、自分がますますつらくなっていることに気づきました。
「あ、今、同じことを何度も考えているんだな」
そこで、少し自分をいたわる時間を取ることにしました。
考えることから、身体や気持ちに気づくことへ
目を閉じ、ゆったりと呼吸をしながら、身体の感覚に意識を向けてみました。
胸がキュッと締め付けられる。
お腹には、硬いものがあるような感覚。
肩にも力が入り、頭も重い。
そして、その感覚とともに、後悔や傷つき、悲しさがあることに気づきました。
相手の気持ちや、自分がどうすればよかったかを考え続けている間、自分自身が傷ついていることには、十分に目を向けられていなかったのだと思います。
「今、こんなふうに感じているんだな」
すぐに何とかしようとせず、その感覚がそこにあることを認めながら、身体にそっと手を当てました。
身体に優しく触れるこの実践は、MSCでは「スージングタッチ」と呼ばれています。
呼吸を続け、手の温かさを感じながら、自分をいたわる時間を持ちました。
「私だけじゃないんだね」
すると、少しずつ身体の緊張が緩み、胸に温かい感覚が広がってきました。
「私も精いっぱい頑張っている。それでも、こんなことはあるよね。きっと他の人も、同じようなことがあったら、傷ついたり後悔したりするんだろうな。私だけじゃないんだね」
そんな言葉が浮かんできました。
誰にでもあることだから、気にしなくていい。
そう片づけるのではなく、傷ついたり後悔したりするのは、自分だけではないと感じられたのです。
頭の中の張り詰めた感じも緩み、少し視野が広がるように感じました。その後は、穏やかな気持ちでゆっくり休むことができました。

そのときの自分に、どんな支えが必要だろう
これは、私自身の一つの体験です。毎回同じように落ち着くとは限りませんし、そのときによって必要な支えも違います。
家族や友人、同僚に話を聞いてもらう。
自分のカウンセラーに相談する。
仕事で担当しているケースについてなら、スーパーバイザーに相談する。
あるいは、シャワーを浴びる、散歩に出かける、ゆっくり休む。そんな時間が必要なこともあります。
「今、私は何を感じているんだろう」
「今の私には、どんな支えが必要だろう」
そう問いかけながら、自分に合う方法を探していきます。
セルフ・コンパッションは、つらさを抱えている自分に気づき、思いやりをもって関わる姿勢です。誰かの力を借りたり、自分が置かれている状況を変えるために行動したりすることも、その一つです。
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マインドフル・セルフ・コンパッション(MSC)では、瞑想やエクササイズ、対話を通して、こうした自分への関わり方を学び、日常の中で実践していきます。
自分の状態に気づくこと。
自分に思いやりを向けること。
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さまざまな実践を、8週間かけて体験していくコースです。
2026年10月8日(木)開始予定のコースは、本日10月4日(日)が申込締切です。
- 時間:毎週木曜日19:00〜22:00(日本時間)
- 形式:オンライン
- 内容:全8回+半日のリトリート
- 通常参加費:74,000円(税込)
なお、最少催行人数に満たない場合は、開催を延期いたします。開催可否は10月5日(月)に、お申し込みの皆さまへメールでお知らせいたします。
参加にあたって確認したいことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
山田千晶
MSC講師・臨床心理士・公認心理師
