お子さんの発達が気になっていて、海外で日本語と現地語を使うのは子どもの負担になるんじゃないかと心配されているお母さんに朗報です!

2018年のカナダのモントリオールの
「発達障害の自閉症スペクトラムの子どもたちにとってバイリンガル教育は有益だ」という結果がでた研究をご紹介します。

自閉症スペクトラムの人たちは、何かをしていたときに他のことに切り替えをするのが苦手ですね。

ところが、2、3つの言葉を話す自閉症スペクトラムの子ども達は、そうでない子どもたちよりもその切り替えが少ししやすいようだという研究結果が出たのです。

カナダのマギル(McGill)大学のAparna Nadig教授がChild Developmentという雑誌に2017年11月に発表した研究でした。

その切り替えの課題の内容をご説明しますね。
6−9歳の自閉症スペクトラムの子どもにやってもらったものです。

まず、バソコンを使って画面上にある絵カードに書かれている「青いうさぎ」や「赤い船」をまずは色別に物を分けます。

そして、その後、カードを形別にうさぎや船に分けるというものです。

その課題をしたときに、フランス語、英語、スペイン語などの2つ、3つの言葉を話す子どもの方が、切り替えが早かったというのです。

発達障害の子どもがバイリンガルやトリリンガルなことが、具体的に有利になることがあると示されたのは初めてだったようで、ニュースになって色々なところに取り上げられていました!

海外で発達が気になったり、自閉症スペクトラムのお子さんを日本語で育てているお母さんたちには嬉しいニュースですね!

注意点としては、この研究のパソコンでやった課題では切り替えが早かったけれど、日常生活場面でも切り替えが早いという結果が出たわけではないんですね。これからさらに研究が進められていくでしょう。

とはいえ、自閉症スペクトラムの子どもがバイリンガル環境で育つと
さらに言葉が遅れることにはならないという研究結果がこれまでにいくつも出ています。

2017年7月の他の論文でも自閉症スペクトラムの子ども達は、バイリンガルに育つことができる。

バイリンガルだから自閉症スペクトラムの子どもの言葉の発達が遅れるということはない。

家庭内でバイリンガルだったのを無理に一つの言葉にすることで、親が自分の言葉で感情や思いを伝えられなくなるなってしまう方が問題だ言われています。

発達が気になるお子さんや自閉症スペクトラムがあると、お子さんの使う言葉を一つにした方がいいのかなと思われるお母さんは多いです。

お子さんが言葉が出るのが遅かったり、コミュニケーションしにくそうにしていると、お母さんたちが心配になるのはもっともなことです!

お子さんのことを思うあまりに自分が努力すれば子どもが楽になるならと自分の気持ちを犠牲にされる方もいらっしゃいます。

もちろんその言葉で自分の気持ちも問題なくお話できるであれば、それでOKだと思います。

しかし、これまでの研究から親の言葉で話し続けて問題ないということがわかってきているのです。

発達障害や発達が気になるお子さんにもバイリンガル子育てをして日本語で話し続けるという選択も知っていてもらえたらと思いました^^

参考文献
⑴Ana Maria Gonzalez-Barrero, Aparna S. Nadig.
Can Bilingualism Mitigate Set-Shifting
Difficulties in Children With Autism
Spectrum Disorders? Child Development,
2017; DOI: 10.1111/cdev.12979

⑵Bilingualism in children with autism spectrum
disorder: Making evidence based recommendations.
http://psycnet.apa.org/record/2017-31810-006

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山田ちあき

臨床心理士
Psychologue

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