頑張り続ける私たちに、セルフ・コンパッションができること――バーンアウトに関する2つの講演から

今年、バーンアウトとセルフ・コンパッションをテーマにした二つの講演に参加する機会がありました。

一つは6月にオンラインで開催された、セルフ・コンパッション研究の第一人者であるKristin Neff博士とChristopher Germer博士による講演会。

そしてもう一つは、8月にパリで開催されたChristopher Germer博士による対面でのワークショップです。

どちらもテーマは「バーンアウト」。

日々仕事や家庭、人を支える役割の中で頑張り続ける私たちにとって、とても身近なテーマだと感じました。

バーンアウトは「頑張りが足りない」から起こるのではない

疲れているとき、私たちはつい、

「もっとちゃんとしなければ」
「このくらいで弱音を吐いてはいけない」
「もっと頑張れば何とかなる」

と、自分をさらに追い立ててしまうことがあります。

けれど、心身がすでに消耗しているときに、自己批判によってさらに頑張ろうとすると、かえって回復から遠ざかってしまうことがあります。

二つの講演を通して特に印象に残ったのは、セルフ・コンパッションは単に「自分にやさしくして休みましょう」という考え方ではない、ということでした。

まず、

「今、自分には何が起きているのだろう?」

と気づくこと。

そして、

「今の自分には何が必要だろう?」

と、自分自身に問いかけること。

必要なのは、休むことかもしれません。

誰かに助けを求めることかもしれません。

これ以上引き受けないように境界線を引くことかもしれません。

あるいは、自分にとって大切なことのために、勇気をもって行動することかもしれません。

セルフ・コンパッションは、いつも自分を甘やかすことではなく、その時の自分に本当に必要なものを見極め、応答していくことなのだと、あらためて感じました。

「やさしさ」と「強さ」の両方

セルフ・コンパッションというと、「自分を慰める」「自分にやさしい言葉をかける」といった柔らかな側面が思い浮かびやすいかもしれません。

けれど、ときには、

「これはもう抱えきれない」
「助けが必要だ」
「ここにはNOと言う必要がある」

と認めることも、セルフ・コンパッションです。

自分を守るために境界線を引いたり、状況を変えるために行動したりすることも含まれます。

バーンアウトというテーマを通して、セルフ・コンパッションには、自分をいたわるやさしさと、自分を守り行動する強さの両方があることを改めて考えさせられました。

パリでChris Germer博士にお会いして

8月のパリでの講演では、Chris Germer博士のお話を直接聞くことができました。

長年セルフ・コンパッションを研究し、世界中で伝えてきた方ですが、実際にお会いすると、とても温かく、穏やかで、まさにloving-kindnessを体現しているような方でした。

翌日にはMSC講師向けの集まりにも参加し、Chris博士やフランスをはじめとするヨーロッパのMSC講師たちと、MSCをどのように社会に届けていくかについて話し合う機会もありました。

2026年8月、パリでのワークショップにてChris Germer博士と

バーンアウトは、個人が「もっと上手にストレス管理をすればいい」という問題だけではありません。

職場環境や人間関係、役割の負担など、周囲の環境も大きく関係します。

だからこそ、セルフ・コンパッションを通して自分自身を支えることと同時に、

「自分に何が必要なのか」
「何を変える必要があるのか」

に気づいていくことも大切なのだと思います。

「もっと頑張る」以外の選択肢を

私自身も、以前は自分を批判することで成長できると思っていました。

できていないところを見つけては、

「もっと頑張らなければ」

と自分を奮い立たせる。

けれど、その方法だけでは、いつまでも心が休まりませんでした。

セルフ・コンパッションを学ぶ中で、

自分を責めなくても、自分を支えながら前に進むことはできる

ということを少しずつ体験してきました。

今回、オンラインとパリで二度にわたってバーンアウトについて学び、改めて、

「頑張ることをやめる」のではなく、
「自分を傷つけながら頑張ることから降りていく」

ということが大切なのではないかと感じています。

疲れているとき。

うまくいかないとき。

心に余裕がなくなっているとき。

そんなときに、

「もっと頑張らなきゃ」ではなく、
「今の私には何が必要だろう?」

と立ち止まる。

その小さな問いかけが、自分自身との関わり方を変えていく一歩になるのかもしれません。

10月8日から開催するMSC8週間オンラインコースでも、「今の自分には何が必要だろう?」という問いを大切にしながら、困難なときに自分自身を支えるさまざまな実践を、8週間かけて体験していきます。

9月26日(土)には無料体験説明会も予定しています。

https://peatix.com/group/16460018

【無料オンライン講演会のご案内】

セルフ・コンパッション(自分への思いやり)の研究と実践を世界に広めてきたクリスティン・ネフ博士とクリストファー・ガーマー博士によるオンライン講演会が開催されます。

今回のテーマは「バーンアウト(燃え尽き)」。

頑張り続けているのに疲れが取れない、自分に厳しくしすぎてしまう、そんな現代人が抱えやすいテーマについて、セルフ・コンパッションの視点からお話しされます。

日時:2026年6月10日(水)19:00~20:30(フランス時間)
※日本時間:6月11日(木)午前2:00~
※録画視聴(リプレイ)あり(英語・フランス語)

参加費:無料

詳細・お申し込み:
https://www.billetweb.fr/rencontre-avec-kristin-neff-et-christopher-germer

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