フランスには注意欠陥多動症(ADHD)は少ない?

フランスには注意欠陥多動症(ADHD)は少ない?

日本では落ち着かない、よく動く、すぐに話してしまう、お子さんは目立ちがちですよね。

海外、特にフランスでは子どもは落ち着かないのは当然という感覚があるようです。

なので、日本で目立つお子さんが、フランスではあまり目立たないということもあったりします。

とはいえ、フランスでも注意欠陥多動症(ADHD :Le TDAH)と診断のでるお子さんももちろんいます!今回は、その状況についてお伝えしますね。

フランスに住んでいて発達障害のうち「自閉症スペクトラム」かもしれないというときに役に立つ情報センターについてはこちら、

注意欠陥多動症(ADHD)は、英語ではattention deficit hyperactivity disorder、フランス語では、Trouble Déficit de l’Attention / Hyperactivité:Le TDAH
と呼ばれています。

典型的な症状としては、 「多動性(過活動)、不注意(注意障害)、衝動性」の三つがありますが、どれも同じように出ているわけではなくて、一つか二つの症状が強くでていることがほとんどです。

小さい頃は座っていられなかったり、すぐに飛び出して行ってしまったり、叩いてしまったりする多動性や衝動性が目立つことが多いですね。

不注意の子も実はたくさんいるのですが、周りにあまり迷惑がかからないので、目立ちにくいです。

集中力が短かったり、すぐに気が散ってしまって話を聞いていないことが多かったり、うっかり間違えることが多かったりするのが症状です。

話を聞いていなくて怒られたり、授業についていけなかったりしてどちらかというと本人が困っていることが多いです。

なので、お母さんが不注意の特性があると知っているとお子さんが怠けているわけではないとわかるので、親子共にとても助かりますね!

では、フランスにはどれくらいいるのかというと、2011年の研究によると(参考サイト)就学している子どものうち3.5 から 5.6%ぐらいが注意欠陥多動症(ADHD)とのこと。100人のうち3〜5人なので、25人クラスだと1クラスに1人ぐらいいるということになりますね!

そのうち65%は大人になるまで症状が残っていて、大人の人口のうち2.5%ぐらいが注意欠陥多動症(ADHD)といえるようです。

しかし、実情としてはこの注意欠陥多動症(Le TDAH)も、パリなどでは脳機能の障害として療育や治療がされているようですが、

フランスの他の地域では、他の発達障害と同じように母子関係や家族関係、社会的な環境(移民家庭、貧困、片親、離婚家庭、再構成家庭など)が原因と考えられやすく、診断がすぐにつかないことが多い印象です。

診断がつきにくいこともありますが、一般的にもあまり知られていないこともあり、学校でも「行動に問題がある」と怒られてしまうことが多いようで、自信をなくしてしまうお子さんが多いです。

どうしたら子どもの得意と苦手を理解して、得意を生かしながら生きることができるのか、親だけではなくて周りの大人たちと協力して育てていけたらいいのにと思っています。

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山田ちあき

多文化間カウンセリングって外国人相手だけじゃないんです!

多文化間カウンセリングって外国人相手だけじゃないんです!

多文化間カウンセリングという様々な文化背景のある人を相手にカウンセリングをするのが私の専門です。

 

多文化って聞くと、違う国の文化をイメージすることがほとんどだと思うんですけど、実はそれだけではないんです。

 

言語、性別、人種、民族性、障害、年齢、性的志向、性同一性、社会経済的地位、宗教、在留資格やVISAの種類、国に来た経緯、教育、仕事などなど。(アメリカ心理学会APAの多文化ガイドラインより)

 

日本人同士でもそれぞれの家庭で文化があって、2人の人が結婚するとそれぞれの家庭の文化が一緒になるからトラブルになることもありますよね。

 

地方によってお雑煮が違うとか、味付けが関東と関西で違うとかわかりやすいもののありますが、目に見えない違いもあります。

 

日本という同じ国の出身でも私とは違う経緯で海外在住している人もたくさんいます。年齢が違えば違う環境で育ってきたともいえるし、宗教が違えば違う考え方だったりすることも。

 

発達障害・グレーゾーンの大人や子ども達もそうです。

 

私にとっての当たり前は、その人にとっての当たり前ではなくて、自分の経験や価値観というメガネをかけてその人を見ているっていることをいつも自覚しながら、支援させてもらっています。

 

私にとっては当たり前でないけれど、その人の視点に立てるように自分で学んでみたり、説明してもらったりして、その人の当たり前をジャッジすることなく学ばせてもらって、その人の気持ちに近づきたいと思っています。

文化は違っても同じ人間だから分かり合えるという前提があって、心でつながることへのチャレンジが、ワクワクして楽しいです。